nohohontanuki’s blog

たぬき 家を作る

~アルハウタ 2005年12月10日(土)

今日は国内線で移動だ。
首都のサナアから、私たちを乗せてくれたドライバーさん達はサナアに帰る。
たぬきに告白をしたオマル君や、タクシードライバーのナセルさん達と、
空港待合室で盛大にお別れの握手をしていると、調子に乗った他の乗客達もドライバーさん達と握手。
明るいなぁ~



実はイエメンの国内線って、出発当日に時刻が決まるそうです。。。
今回も、多分午前中早くに飛ぶはず・・・という期待でスケジュールが決まっていたよう(笑)。
午後遅くになったらどうしたんだろうなぁー?こういう事って割とよくあるんだよねぇ。添乗員さんと現地ガイドさんが全て対応してくれるのでお任せしているけど・・・大変なお仕事だと思う~
無事10時30分に出発。

1時間ほどのフライトは、以外に綺麗な機体でした。
でも~やっぱりタラップで降りて、空港建物に歩いていくのね~。
アル・リヤン のどかだわ~。


荷物をピックアップして、これから4日間ハドラマウト地方を案内してくれるドライバーさんと対面。
たぬき母子は、ちょっとナイナイの岡村似の無口なドライバーさんだったよ。(写真右から2番目)
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車に乗って20分ほど。
道ばたのドライブイン的レストランに停車。
ドライブインのお客さんが売りに行く、荷台の山羊さんたち。近づいたら向こうも興味津々で見つめてきたw
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この辺りは、大きなレストランなんて無いらしいのだ。
店構えを写真に撮らなかったのが悔やまれる~
調理場はコンクリの建物なんだけど、トリを焼く窯は外にあるの。
壁のない日よけだけのコンクリ敷きの土間
絨毯(?)等の敷物が敷いてあり、皆ペタリと車座に座るんだ。
おっきなお盆に山となったピラフの上、こんがり焼いたトリが乗ってくる。みんなで美味しそうに食べてたよー。
わーい、ベトウィンの料理みたいー(ベトウィンってアラブの遊牧民ね)
それにトリが旨い!
こういう土地では、牛や豚(イスラムで豚は出ませんが・・・)は堅くて不味いことが多いの。
羊の方が成功率は高いけど、臭い消しが上手くいってないと「うげぇ・・・」となるし。
ブロイラーみたいに水っぽくなくて、余計な油もないし おいしいよ~
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さすがに日本人には ↑ こーんな無粋なプラスチック皿でした・・・
これでもクレーム付けてた人もいましたが・・・
たぬきは「じゃぁ、こんな辺境に来るな・・・」と思いまふ。




ご飯も済んで、ハドラマウト地方に向けて出発。
アル・リヤン空港はアラビア海沿いにあります。そこから車で40分も行くと・・・・
ドド~ンと山がそびえています。いろは坂も真っ青のつづら折りの道を登っていくと・・・
こーんな眺め。
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たぬきの背後、地平線が青いのはアラビア海です。標高は1500m位だそう。
そして、ここから、ずーっとずーっとなだらかな丘?山?です。


行く手に見えるのが、登った高原ですー。
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今まで書き忘れたけどね。車は全てトヨタランドクルーザーなの。左ハンドルの中古車。
そしてクーラーは効かない・・・
かましくない程度に窓を開け、風を入れるの。
乾燥しているから暑くてどうにもならないと言うことはないけど、日差しがキツイ。
たぬきが、強制でもないのにスカーフやストールを身につけているのは、日よけとホコリよけの為です。
これがあるとすごく楽。
だから、この土地の女性が真っくろくろすけなのは、宗教の戒律だからだけじゃないと思うんだ。
そうした方が肌にも目にも髪にも喉にも優しいの。


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ハドラマウトのワディ・アルアインに入った所。
ハドラマウト地方について、ちょっと説明します。
見ての通り、この渓谷は巨大なグランドキャニオンって感じです。
今まで走ってきた1500mもの高原にできた、谷なんです。
右端に居るヒトで大きさを想像してください。

グランドキャニオンがコロラド河で削られてできた谷であるように、ここにも河があったのですよ。
ただ、ここは砂漠地方。
現在はほとんど雨も降らないので、涸れ谷です。ワディって涸れた谷のことなの。
だから、ワディ・○○って地名が多いよ。
でも河床はあるのねー。だから流れることもあるのかも???
涸れ谷でも、伏流水があるらしく、農業も盛んです。
下はなつめやしの木です。おたふくソースの原料の一部のデーツってこの実なんですよ~。
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厳しい気候風土の中、こ~んなオアシスが続く渓谷なんです。
だからね、ここが主要な交易ルートになっていたこともあるんだって。
いまでも、点々と井戸が整備されて誰でも水が飲めるようになってるよ。
スゴイことだと思う。

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ハドラマウトってどっかで聞いたな・・・とたぬきは思っておりました。中東問題に関心があるので、そっち方面のニュースはよく見ているんだけど、あのビン・ラディンのお父さんの出身地がここ。
と言っても、よく聞くとそんなに驚くべき事でもないらしい。

イメージ 12元々アラブは遊牧民族で国境なんてなかったのよね。
部族ごとに支配地域があるけど、それも農耕民族よりずっと流動的。
でもハドラマウト地方は、その地形から隊商路となっていたので昔から人々が多く住んでいたの。ハドラマウトを起点に交易や遊牧をしていた部族も多くいたし。
そもそも中東に国境という線が引かれたのは第一次世界大戦後のはず。その時に有力部族だったところが国の王として建国した、というのが多かったんだ。
だから中東諸国の王族の出身地がハドラマウト地方、ということは多いらしい。
たぬきが訪れた時もサウジアラビアの王子が親戚を訪ねてきていたよ。


そんな関係で、ハドラマウトの人々は外の世界に飛び出していく気質があるのかもしれないね。
出稼ぎにいって、一旗揚げるという人も多いらしい。
首都から離れているのに、他の地域より経済的には豊かみたい。
日干し煉瓦で出来た家も新築が多いし、クーラーのついている家もおおい。
畑にトラクターが出ているのを見たのはこの地域だけだったよ。


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日暮れ時、やっとシバームが見えました。
シバーム世界遺産になっています。他にも日干し煉瓦の家々が建っていたけど、ここは城塞都市で歴史も古いんだ。




今日の宿はシバームより少し先のアル・ハウタという村にあるアルハウタパレスホテル。
ローカルホテルだけど、リゾートっぽい雰囲気の素敵なところでした。
寝ぼけた鳥が、窓の鎧戸にしがみついていました。
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                          ホテルのレストランは中庭のテラス。おねだり猫が歓迎に来ました。